心理効果も大切

　私は医師の立場からすると、コンドロイチンやグルコサミンの経口サプリメントが薬と同等に「効きますよ」とは言いませんが、プラセボ効果も加味した場合にはこれらの関節系のサプリメントを頭ごなしに否定することはできないのではないか、と考えます。

　
　ご本人が「これはきっと効くんだ!」と信じ、自発的に欲しい!　是非試してみたい!　と思い、少なくとも安全性が信頼できるのでしたら、買って飲んでみることは十分に悪くないと思います。

　
　その点、テレビCMなどはプラセボ効果を高めるよう、非常にうまく作られています。

　ですから、CMを見ていて、よく出来た素晴らしいCMだと感じ、これならきっと効くだろう、と心から信じられたら、そう思われない安っぽい商品よりも効果が出ると推定されます。

　少なくとも、「これは素晴らしい栄養だ」という気持ちで飲んだら気分は良くなることでしょう。

　体を良くする成分が体中に染み込むイメージングは自己暗示的な瞑想治療にも共通します。

　
　効きそうだ、と信じられる治療法や健康増進法で、少なくとも有害でなければ、精神心理的効果は非常に有効です。なぜなら、自律神経を介して気分や体を癒してくれるホルモンや神経伝達物質が体の中で沢山作られるようになるからです。

　気分が落ち着いたり、あるいは良い気分で高揚すると、麻薬性の鎮痛物質を脳や神経組織で水から作り出す作用も人間は持っています。

　心理効果だけでも痛みが軽減する人が多いということは、逆に、心の平安が無ければ、良いお薬も効果が低下してしまう可能性もあります。

　
　そういう意味で、病院にかかるときには、確かな効果のある良い治療薬法を提示してくれることはもちろん、居心地の良い暖かい雰囲気の病院を選ぶことも大事です。そして、ある程度良いクチコミがある病院を選ぶことは、かかる前に信頼感・安心感を持つ意味でも望ましいでしょう。