歓迎されない理由 その③:訴えが複雑で、しばしばメンタルケアも必要になるから
なぜ複雑化しやすいのか?
交通事故は、スポーツや転倒での受傷に比べて、症状が複雑で多彩になる場合が多いようです。
交通事故後の患者さんの特徴をまとめてみます。
●被害者であることが多い。
怒りや悔しさの感情が伴いやすい。⇒ 自律神経の失調を来たす可能性がある。
●リラックスしている所に不意打ちの衝撃を受けた場合が多い。
防御姿勢を取れなかったために体の深部への衝撃が大きくなりやすい。また、恐怖感やフラッシュバックが残りやすい。
●医師や周囲の人から症状が理解されないことが多い。
不安感が増...
歓迎されない理由 その②:病態が理解しにくい
交通事故に特有の受傷メカニズム
人対人、あるいは転んで物にぶつかった場合など、血が出たり、表面が腫れたりしますが、衝撃は大部分が体の表層で止まります。
しかし、交通事故で受ける体の衝撃は、日常での転倒やスポーツでの打撲などとは異なる伝わり方をします。
交通事故の場合は、多くは車対車、車対人です。
1.5~2t(トラックでは時に10t以上)もの重量の鉄の塊が、時速数十kmで衝突するのですから、衝撃の質と量が違います。
車が直接体に当たった場合はもちろん大怪我をする可能性が高いのですが、そう...
交通事故被害の患者さんが医者から歓迎されない理由 その①
交通事故で頚椎捻挫(ムチウチ)や腰部捻挫などの傷害を受けて病院を受診した被害者の方は、なぜしばしば医師から冷たく扱われ、多くの場合、適切な治療を受けられず半ば放り投げられてしまうのか?
このブログではそのからくりを、交通事故診療の特殊性と、あまり知られていない医師の仕事の裏側を暴露しながら詳しく探っていきます。私は医師としての同業批判をしたいのではなく、現状の制度的な問題をこのブログで提起したいと思うので、敢えて書くことにしました。
不幸にして交通事故被害に遭われた方は、このブ...
交通事故後の受診で医師から冷遇されるのは、なぜ?
お気の毒にも追突事故などの被害に遭われ、首や腰の痛みを生じた方は、近くの病院(主に整形外科)を受診されたと思います。
怪我の治療はまずは整形外科でしょうから、ちゃんと診てくれると思いますよね? ふつー。
けれど行ってみると実際は、医者は「交通事故」というだけでろくに診察もしてくれず、軽く扱われたり、冷たくあしらわれたりされませんでしたか?
「シップを貼って休んで」くらいしか言われずに、他に何も治療もされず放置されてしまった感じはありませんでしたか?
自分は治したい意欲があり、...